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化粧品の規制について~入門編:法定表示とは~ 商品開発ノウハウ

化粧品の規制を紹介するコラムの5回目です。
今回は法定表示という概念についてのお話です。

表示と法定表示

そもそも法定表示とはなんでしょうか?
化粧品の世界でいう「表示」とは化粧品の広告、デザイン、容器や化粧箱への記載、口頭説明など、化粧品に関するあらゆる情報提供のことを指します。
対して「法定表示」とは、化粧品の容器や化粧箱へ「書かなければいけないこと」を指します。
表示という大きな概念の中に法定表示があるというイメージですね。
通常、表示に関するルールは「書いてはいけないこと」を規制するのに対し、
法定表示に関するルールは「書かなければいけないこと」を規制していますので、かなり特殊な存在です。

なぜ化粧品には法定表示が必要なのでしょう?
これには化粧品の規制の仕組みが関係しています。

化粧品規制の仕組み

化粧品にはサッカーのFIFAのようにルールを一元管理する行政機関や団体が存在しません。
化粧品というものがあまりにも多様すぎて、様々な行政機関の縄張りを横断してしまっているからです。
しかし一元管理する行政機関や団体が存在しないのに誰が化粧品会社の内部を監督するのでしょうか?

答えは化粧品会社自身です。
化粧品会社(製造販売業)は総括製造販売責任者という人員を配置し、内部を自己監督する義務を負い、
製品に問題があった場合、化粧品会社は自己監督責任(問題への対応責任)のもと行動しなければなりません。

それゆえ商品には消費者が速やかに問い合わせできる情報が記載されている必要があります。
これらの情報が法定表示と呼ばれます。

法定表示の規制

薬機法では以下の項目が法定表示として定められています。

➢製造販売業者の氏名又は名称及び住所
➢製品の名称
➢製造番号
➢使用期限(3年未満の場合)
➢成分の名称
➢厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定めた内容

意外と少ないですね。
これくらいなら簡単そうです。
しかし残念ながらそうではありません。
法定表示の概念についてはこの通りなのですが、この規制は日々進化し、法定表示を補足するための関係法規が生まれています。
具体的に派生した関係法規をざっと並べてみましょう。

➢薬機法施行規則
➢厚生省告示
➢医薬審発/医薬監麻発
➢化粧品の表示に関する公正競争規約
➢化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則
➢化粧石けんの表示に関する公正競争規約
➢化粧石けんの表示に関する公正競争規約施行規則
➢歯みがき類の表示に関する公正競争規約
➢歯みがき類の表示に関する公正競争規約施行規則

さらに言えば、法定表示はあくまでも「書かなければいけないこと」の規制であり、
「書いてはいけないこと」の規制も多数存在しています。
頭が痛くなってきますね…(笑)

しかし、法定表示が適切に行われなかった場合には、
時として消費者に不利益を与える製品とみなされることがあります。
するとどうなるか?
消費者に不利益を与える商品は回収が妥当でしょう。

化粧品の製造に携わる人間は誰もが消費者の幸福を願い製品を開発するものです。
それが法律への知識不足のせいで消費者に不利益を与える製品の烙印を押されてしまうなんて…耐えられないですよね。
だから、法定表示の規制への理解が必要なのです。

今回は法定表示の概念についてのお話でした。
次回は法定表示における実践的なお話を予定しています。

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